コラム

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2021.12.08

【相続手続き】相続財産管理人選任後に相続人が現れた場合の手続き

親の死後、裁判で認知を受けたものの、親の遺産は既に相続財産管理人が選任されているような場合、認知を受けた子が遺産を取得するためにはどうすればいいのでしょうか?

相続人が、相続財産管理人から相続財産を引継ぐまでの手続きの流れと作成書類について確認してきましょう。

この記事では、相続財産管理人選任後に相続人が現れた場合について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

相続人捜索の公告期間経過前に申出をしないと相続権は失われる

相続人が相続権を主張するためには、遅くとも相続人捜索の公告期間が経過する前に相続の申出をしなければなりません。

公告期間が経過した後だと、相続権は失われてしまうからです。

申出の際は相続申出書を作成し、家庭裁判所に提出するのが一般的です。

また、相続人であることを証明するため、申出書には認知訴訟の確定判決の写し・戸籍謄本等の資料を添付します。

相続人であることが証明できない場合には、直ちに相続財産を引き継ぐことはできませんが、公告期間内に相続を申し出ていれば公告期間の経過によって相続権を失うことはありません。

相続申出書の添付書類は以下のとおりです。

作成書類 相続申出書
必要書類

・認知訴訟の確定判決の写し等

・戸籍謄本

(その他各裁判所の定めによる)

相続財産引継書の取り交わし

公告期間内に相続人が現れると、相続財産法人は成立しなかったものと見なされます。

すると、相続財産管理人の代理権は、相続人が相続を承認した時に消滅します。

相続財産管理人は管理の計算をし、財産を相続人に引き継ぎます。

その際、相続財産管理人は相続人との間で、相続財産引継書を取り交わします。

相続財産管理人の代理権は相続人に引継ぐまで存続する

家庭裁判所は相続人が自ら相続財産を管理できるようになった時点で、申立てまたは職権により、相続財産管理人選任処分の取消しの審判をしなければなりません。

相続財産管理人の代理権は、通常、引継ぎまで存続すると扱われます。

相続財産管理人選任処分の取消裁判申立書の添付書類は以下の通りです。

作成書類 相続財産管理人選任処分の取消裁判申立書
必要書類  ・認知訴訟の確定判決の写し等
・相続人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
※ その他各裁判所の定めるところにより、身分関係についての資料・手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求められる場合があり
ます。
費用 収入印紙500円・予納郵便切手

相続財産管理人は相続人に財産を引き継いだ後、管理終了報告書を家庭裁判所に提出しましょう。

これによって、財産の引継ぎは完了します。

相続財産管理人選任後に相続人が現れた場合のまとめ

  • 相続人は、相続人の捜索期間内に相続権を申し出なくてはならない
  • 相続財産管理人は、遅滞なく相続人に対し残存する相続財産を引き継ぐ
  • 相続人または相続財産管理人は、相続財産管理人選任処分取消しの審判を申し立
    てる
  • 相続財産管理人は任務終了にあたり、管理終了報告書を家庭裁判所に提出する

以上、相続財産管理人選任後に相続人が現れた場合について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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