コラム

COLUMN
2022.08.08

【相続手続き】相続税の申告期限はどのように決まるのか?

相続は被相続人の死亡によって開始されますが、死亡日がはっきりしなかったり、失踪宣告によって死亡とみなされたりした場合、相続開始の日はどのように判定されるのでしょうか?

また、相続税の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ケ月以内」とされていますが、相続人ごとに申告期限が異なる場合はどうすればいいかを確認しましょう。

この記事では、相続税の申告期限はどのように決まるのかについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。

相続開始の日と「死亡」の区分

民法882条では、「相続は、死亡によって開始する」との規定があります。

つまり、「相続開始財産の取得」です。

相続税の納税義務は、相続もしくは遺贈によって財産を取得した時に成立します。

そして、取得した個人が相続税の納税義務者となります。

POINT
相続時精算課税の適用を受ける財産を取得した個人も、相続税の納税義務者となります。

なお、相続開始の日を判断する「死亡」には、以下の2通りの場合があります。

①自然的死亡

医学的な死亡のことです。

通常、死亡した者の戸籍で相続開始の日を確認します。

ただし、戸籍上の記載にて死亡等の推定に幅がある場合は、その幅の終点が相続開始の日と判断されます。(下記の表を参照)

死亡日の記載例 相続開始日
午前8時~午後10時 午後10時
12月1日~10日の間 12月10日
11月 11月30日(推定月の末日)
令和4年1月~6月の間 6月30日(最後の推定月の末日)
令和3年 令和3年12月31日(推定年の末日)
令和2年~3年の間 令和3年12月31日

②法律上の死亡

失踪宣告による擬制的死亡

生死不明の不在者は、失踪宣告から一定期間が経過すると死亡したものとみなされます。

死亡と見なされるのは以下の表のとおりです。

  宣告できる場合 死亡とみなされる時
普通失踪 生死が7年間明らかでない時 生死不明の期間が7年を満了
特別失踪 震災等、死亡の原因となる危難に遭遇した者の生死が、危難が去った後1年間明らかでない時 危難が去った時

死亡報告による認定死亡

水難、火災その他の事変によって死亡した場合、死体が確認できない場合でも「その取調をした官庁又は公署」の報告によって戸籍上の死亡が記載されます。

相続開始の日はこの記載に従って判定されます。

相続税の申告期限はどう決まる?

相続税の申告期限は、「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ケ月以内」とされています。

留意したい点は、相続開始の日(死亡日)ではなく、相続開始があったことを知った日だということです。

相続の開始があったことを知った日とは、通常、相続人が被相続人の死亡を知った日です。

例えば、相続の開始があったことを知った日が令和4年8月2日なら、申告期限は翌年の6月2日となります。

しかし、相続人が意思能力のない者(幼児や心神喪失者など)であった場合は、法定代理人がその相続の開始があったことを知った日となります。

相続開始の時に法定代理人がいない時は、後見人が選任された日となります。

なお、相続税の納付期限や延納・物納の申請期限についても同様の扱いがなされます。

相続人ごとに申告期限が異なる場合について

同一の被相続人から相続または遺贈により財産を取得し、相続税の申告をしなければならない者が2人以上いる場合、一般的には共同で相続税の申告書を提出します。

しかし、死亡時に共同相続人が全員その場にいないとき、不在だった相続人は相続の開始があったことを知った日が翌日以降になる可能性もあるでしょう。

すると、相続人の間で相続税の申告期限が異なってきます。

しかし実際には、死亡の日を基準に申告するケースが多数です。

相続人が複数いる場合は、申告期限に間に合うように早めに手続きを進めるよう心がけましょう。

また、申告期限を過ぎるとペナルティを課せられることになるので注意が必要です。

相続税の申告期限を過ぎた場合のペナルティについては、こちらの記事をご覧ください。

相続税の申告期限はどのように決まるのかまとめ

  • 財産を取得すると納税義務が生じ、相続があったことを知った日から10ヶ月以内が相続税の申告期限となる
  • 相続税の申告期限は通常、被相続人の死亡を知った日であるが、意思能力のない者である場合は法定代理人が相続開始があったことを知った日、もしくは後見人が選任された日

以上、相続税の申告期限はどのように決まるのかについて解説しました。

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※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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