ビットコインやイーサリウムなどの暗号資産(仮想通貨)は相続財産として扱われるのか、よく分かっていない方も多いのではないでしょうか?
結論を言えば、暗号資産やネット銀行などのデジタル資産も相続の対象です。
したがって、相続対策をしておかないと相続手続きに余計な手間がかかってしまうかもしれません。
暗号資産の相続でトラブルが発生しないよう注意しておきたいことを把握しておきましょう。
この記事では、相続対策として暗号資産(仮想通貨)は手放しておくべきか?について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。
仮想通貨(暗号資産)は相続の対象となるのか?
暗号資産(仮想通貨)とは何か、日本銀行のWebサイトでは次のように説明しています。
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「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。
(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
(2)電子的に記録され、移転できる
(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。
暗号資産は交換所や取引所と呼ばれる事業者から入手、換金できます。
利用者の需給関係などさまざまな要因から価格変動しやすく、その運用には高リスクを伴います。
暗号資産の売却によって利益が発生したら、もちろん確定申告が必要です。
また、所有者が死亡した際は、預貯金などの金融資産と同様、相続の対象になります。(相続税も発生します)
暗号資産(仮想通貨)は相続トラブルになりやすいので整理しておくといい
被相続人が所有していた暗号資産は相続発生日、つまり死亡日の価額によって資産額を評価します。
暗号資産取引所などがあれば相続発生日の取引価格で評価し、取引所がなければ暗号資産の性質や内容、取引実態などを勘案して個別に評価します。
なお、暗号資産は電子データなので、相続人がその存在を把握できないかもしれません。
もし暗号資産の存在に気付かないと、築き上げた暗号資産が家族にうまく引き継げないという事態も起こり得るでしょう。
遺産分割協議を終えた後に暗号資産が見つかった、となれば協議をやり直さなければなりません。
こうした事態を防ぐためにも、暗号資産の種類や交換業者の名称、ID、パスワードを残し、定期的に取引履歴を残しておきましょう。
(IDとパスワードを書き残す場合、セキュリティ性を考えて保管することが大切です。)
もっとも、IDやパスワードが分からない場合でも、手続きに必要な書類を送れば相続手続きを行えます。
また、暗号資産は価格変動が激しい資産なので、一獲千金を狙った相続人同士で取り合いになる可能性もあるでしょう。
トラブル防止も兼ねて、相続の発生が視野に入ってきたら解約・売却して現金化するなど、暗号資産の整理をすることをおすすめします。
暗号資産は手放しておくべきか?まとめ
- 暗号資産は相続の対象であり、相続税も発生する
- 暗号資産は電子データという性質上、その存在を把握しづらいので情報を残しておくといい
- 終活として暗号資産の解約・換金をしておくなど資産を整理するのがおすすめ
以上、暗号資産は手放しておくべきか?について解説しました。
※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。