コラム

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2023.02.07

【相続対策】生前整理にて複数の口座を一本化する際のポイント

口座が複数あると総資産額を把握しづらくなるほか、相続手続きの手間も増えてしまいます。

生前整理にて財産目録を作る際に、口座の一本化を図るといいでしょう。

必要ない口座を解約することで、何を残し、何を整理すべきなのかが分かってくるはずです。

口座の絞り方や生活を考えて残すべきもの、家族との情報共有の仕方、預貯金が1,000万円を超える場合の保管方法など、口座を一本化する際の重要ポイントを順を追って見ていきましょう。

この記事では、生前整理にて複数の口座を一本化する際のポイントについて、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

生前整理で銀行や郵便局などの口座を一本化する際のポイント

生前整理は遺される家族を思って行うことはもちろんですが、自身が高齢になった時の生活の利便性や安心も考えて行う必要があります。

口座の一本化のために使用状況を見直していくことで、残すべきものとそうでないものが見えてくるでしょう。

口座を整理する際のポイントについて順を追って解説していきます。

使っていない口座を解約することで生前整理しやすくなる

使っていない口座は生前のうちに解約することをおすすめします。

預貯金の相続手続きは金融機関の口座ごとに行うので、口座を複数所有していると手続きに手間取ってしまうからです。

財産目録を作成する時に、必要ない口座を見直して解約してしまいましょう。

使っていない口座を1つずつ解約していく事で、何を残し何を整理すべきなのかが見えてくるはずです。

口座は3つほどに絞ることから始めるのがおすすめ

50~60代前半の人は、口座を

  • 決済用
  • 貯蓄用
  • 資産運用

の3つに絞るといいでしょう。

決済用などのよく使う口座に関しては、近所や行きつけの場所にある金融機関にすると高齢になってからの口座管理が楽になります。

年を取って口座管理が難しくなってきたときは、この金融機関の口座に一本化するといいでしょう。

この口座のクレジットカードが複数枚ある場合は、最終的に1~2枚になるよう少しずつ整理していくのがおすすめです。

公共料金の自動振替やカードの自動引落しの整理はどうすべきか?

クレジットカードも整理したほうがいいことは前述した通りですが、公共料金の自動振替や自動引落しなども解約すべきなのでしょうか?

結論から言えば、公共料金の自動振替や引落しは生活に必要なものとして残したほうがいいでしょう。

生活に必要な料金の支払口座やカードは一本化したうえで、家族にその情報を共有しておくことをおすすめします。

整理しきれなかった口座も財産目録に書いておくこと

整理しきれなかった口座がある場合も、家族に分かるよう財産目録に書いておきましょう。

現行法では、10年以上放置された休眠口座の預金はNPO法人や民間団体が行う公益活動に充てられることになっています。(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)

休眠口座になっても手続きをすることで預けていた預金を引き出すはできますが、整理できなかった口座の見落としには注意しましょう。

休眠預金の対象となる預金 休眠預金の対象とならない預金
普通預金・通常預金 外貨預貯金
定期預貯金・定額貯金・定期預金 仕組預貯金
当座預貯金 財形貯蓄
貯蓄預貯金  

表参考:政府広報オンライン「放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。令和4年(2022年)1月14日」

預貯金が1,000万円を超える場合は口座を分散すべきなのか?

金融機関が破綻しても預金を保護する仕組みを預金保険制度(ペイオフ)といい、1金融機関1預金者あたり原本1,000万円までと、その利息等が保護されます。

ペイオフも踏まえて考えると、預貯金が1,000万円を超える場合、口座を一本化するべきか分散させるべきかで悩むこともあるかもしれません。

信用力の高い金融機関を選べば預金を一本化して1,000万円を超えても問題ないと思われますが、可能性の低い破綻を心配して手元で保管するのはかえって危険です。

金融機関の破綻を懸念するのであれば、預貯金が1,000万円を超える場合は複数の口座に分散し、その情報を家族に共有するといいでしょう。

  預金などの分類 保護の範囲
預金保険の対象預金等 決済用預金 当座預金・利息のつかない普通預金など 全額保護
一般預金等 利息のつく普通預金・定期預金・定期積金・元本補填契約のある金銭信託(ピッグなどの貸付信託を含む)・金融債(保護預り専用商品に限る)など

合算して原本1,000万円までと破綻日までの利息等を保護(注)

1,000万円を超える部分は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる。(一部カットされる場合あり。)

預金保険の対象外預金等 外貨預金・譲渡性預金・金融債(募集債及び保護預り契約が終了したもの)など

保護対象外

破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる。(一部カットされる場合あり。)

表参考:預金保険機構Webサイト「万が一金融機関が破綻した時」

生前整理にて複数の口座を一本化する際のポイントまとめ

  • 使っていない口座を整理してできるだけ一本化していくことで遺族の相続手続きの負担が軽くなるほか、自身も管理しやすくなる
  • まずは口座を3つ(決済用・貯蓄用・資産運用)に絞って整理するのがおすすめ
  • 利用頻度の高い口座は近所や行きつけの場所にある金融機関にし、最終的にはこの口座で一本化すると管理しやすくなる
  • 公共料金の自動振替や引落しなど生活に必要なものは残しておく
  • 預貯金は1,000万円以上ある場合に口座を分散させておきたい場合は家族にその情報を共有しておく

以上、生前整理にて複数の口座を一本化する際のポイントについて解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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