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2023.02.14

【相続基礎】相続人の範囲|誰が遺産を引き継ぐ相続人になれるのか?

被相続人(故人)の遺産を引き継ぐ相続人となれる人(法定相続人)の範囲は、配偶者と血族と定められています。

配偶者以外の人は、相続順位に従って配偶者と共に相続人となることが決まります。

相続人との組み合わせによって相続割合(法定相続分)も変わります。

誰が相続人になれるのか?どのくらい遺産を引き継ぐ権利があるのか?というのを理解しておくことは大切です。

相続人の範囲と相続順位、相続権を失わせる制度の存在と法定相続分・指定相続分の違い、相続人の組み合わせによる相続割合の違いについて説明していきましょう。

この記事では、相続人の範囲|誰が遺産を引き継ぐ相続人になれるのか?について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。

誰が相続人になれるのか?法定相続人の範囲と相続順位

亡くなった人(被相続人)の遺産を引き継ぐ相続人となれる人の範囲は法律で定められています。

これを「法定相続人」といいます。

法定相続人以外の人に遺産を引き継がせたい場合は、遺言などで意思表示をしておかなければなりません。

法定相続人には「相続順位」があり、この順位に従って相続人を確定し、相続割合も変化します。

相続人の範囲と順位は次の図のとおりです。

それぞれの法定相続人について解説していきましょう。

配偶者=婚姻届けを提出した夫婦

配偶者とは、夫婦の一方から見たときの他方のことを言います。

相続における配偶者とは婚姻届けを提出している夫婦(戸籍に夫や妻と記載された人)だけを指し、内縁の夫婦や離婚した元配偶者は含まれません。

被相続人の配偶者は常に相続人となり、相続人が配偶者のみの場合は100%の割合で相続することになります。

被相続人の子=第1順位

被相続人に子がいる場合、配偶者と併せて常に相続人となります。

また、実子だけでなく、養子や認知した子も含まれます。

前妻や前夫との間に子がいる場合は異母(異父)兄弟となるため、相続人の調査の際は注意しましょう。

また、相続の場面においては胎児も生きている人として扱われます。

したがって、夫が死亡した時点でその妻が妊娠しているときは、妻と胎児が相続人となることができます。

ただし、生きて出産を迎えたときに確定的に胎児が相続人の地位を取得することになりますが、胎児が死産であった場合は、胎児への相続がなかったことになります。

胎児の相続権に関する詳細はこちらの記事で解説しています。

非嫡出子は父からの認知を受けて相続人となれる
婚姻届けを提出した夫婦間に生まれた子(嫡出子)は、原則として父子間に親子関係があるものと扱われますが、婚姻届けを提出していない男女間に生まれた子(非嫡出子)が相続人となるには、父からの認知を受けて父子間の親子関係を認めてもらう必要があります。

被相続人の直系尊属(父母や祖父母)=第2順位

被相続人に子が1人もいない場合は、被相続人の父母が相続人となることができます。

父母がどちらともいない場合は祖父母が相続人となります。

子がいる場合には、父母への相続は発生しません。

直系尊属とは?
第2順位の相続人となる直系尊属とは、被相続人より前の世代へ縦にのぼっていく血族のことです。父母や祖父母が直系尊属にあたります。

兄弟姉妹=第3順位

被相続人の子も父母もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

同じ父母を持つ兄弟姉妹の相続割合は均等割りとなります。

相続欠落と相続廃除について

相続人は法律上決まった範囲で決められていることは上述したとおりですが、相続資格を失う「相続欠落」、被相続人の意思に基づいて相続資格をはく奪する「相続廃除」という制度があります。

これは本来相続人になるべき人であっても、相続人としてふさわしくない場合に相続権を失わせる制度です。

相続欠落、相続廃除の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

指定相続分と法定相続分の違い

相続人が具体的にどの程度の財産を相続するのか被相続人が遺言をしている場合は、原則として遺言に記載された指定(指定相続分)に従います。

一方、被相続人が相続分について遺言をしていない場合は民法の定めた相続分の割合(法定相続分)に従うことになります。

相続人の組み合わせによる法定相続分の違い

遺産の相続割合(法定相続分)は、相続人の相続順位と相続人の関係によって規定されています。

配偶者だけが相続人の場合や、子あるいは父母だけが相続人の場合は、複数いても均等に配分するだけでいいため、相続分の計算は容易です。

しかし、それ以外の相続人が複数いる場合は下記のように、相続人の組み合わせに応じて相続人同士の法定相続分が異なります。

配偶者と子の場合

被相続人の「配偶者+子」が相続人になる、各人の法定相続分は

  • 配偶者=2分の1
  • 子=2分の1(子が複数人の場合は2分の1を均等に配分)

となります。

たとえば、相続人が配偶者と子2人である場合は

  • 配偶者の法定相続分が2分の1
  • 子の法定相続分がそれぞれ4分の1(2分の1×2)

になります。

嫡出子か非嫡出子かによる法定相続分の違いはありません。

配偶者と父母の場合

被相続人の配偶者と両親(養親も含まれる)が相続人になる場合、各人の法定相続分は

  • 配偶者=3分の2
  • 父母=3分の1(両者存命の場合は3分の1を均等に配分)

となります。

たとえば、配偶者と両親2人が相続人である場合

  • 配偶者の法定相続分が3分の2
  • 両親2人の法定相続分がそれぞれ6分の1(3分の1×2分の1)

となります。

配偶者と兄弟姉妹の場合

被相続人の配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合、各人の法定相続分は

  • 配偶者=4分の3
  • 兄弟姉妹=4分の1(兄弟が複数人の場合は4分の1を均等に配分)

となります。

ただし、兄弟姉妹の中に被相続人と父母のいずれかが異なる半血兄弟姉妹がいる場合、半血兄弟姉妹の法定相続分は父母を同じくする全血兄弟姉妹の2分の1となります。

たとえば、配偶者と全血兄弟姉妹1人と半血兄弟姉妹1人が相続人である場合、

  • 配偶者の法定相続分は4分の3
  • 全血兄弟姉妹の法定相続分は6分の1
  • 半血兄弟姉妹の法定相続分は12分の1

になります。

相続人の範囲|誰が遺産を引き継ぐ相続人になれるのか?まとめ

  • 相続における配偶者=婚姻届けを提出している夫婦
  • 相続人の組み合わせによって相続割合(法定相続分)が異なる
  • 相続分の割合は被相続人の遺言がなければ法定相続分に従う

以上、相続人の範囲|誰が遺産を引き継ぐ相続人になれるのか?について解説しました。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

行政書士法人ストレートの代表行政書士。「相続・遺言」「許認可申請」「在留資格申請」を中心に活躍。他士業からの相談も多いプロが認める専門家。誠実、迅速な対応でお客様目線のサービスを提供します。

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