相続財産の中には、不動産や預貯金、有価証券などの他にも、貴金属や宝石、書画や骨董などのものも含まれます。
貴金属や宝石、書画に骨董などの美術品に思い入れのある方も多いかと思いますが、生前整理においてこれらの品々を処するか考えることは大切です。
今回は、貴金属や骨董などの品々を
- 相続財産として遺しておいたほうがいい場合
- 売却したほうがいい場合
- 評価額の高いものの扱い
について説明していきましょう。
この記事では、貴金属や宝石・骨董などの生前整理について、日野市・八王子市・立川市で相続手続き・遺言作成サポートをしている行政書士法人ストレートが解説します。
※相続税のご相談については、提携している税理士を紹介いたします。
時価5万円以下の貴金属や宝石・美術品を遺したほうがいいとされる理由
1点あたりの評価額が5万円以下の貴金属、宝石、書画や骨董は、遺産として遺したほうがいいでしょう。
なぜなら、相続した5万円以下の動産は課税対象にならないからです。
5万円以下の物は一括して概算を安く評価するため、相続税を節税できます。
実際には、一般家庭に時価で5万円を超えるものは多くないので、家財一式に含まれることになると思っていいでしょう。
遺さず売却したほうがいい場合とは
不動産などの財産を所有している人でも、現金が手持ち無沙汰の場合は、貴金属や骨董などの換金性の高い動産を売却して、老後の生活費をはじめ、治療費・介護費、葬儀費用のことも考えて老後資金に充てたほうがいいと言えます。
できれば価値の高いものは更なる値上がりを期待して保有しておきたいところ(詳細は後述)ですが、手持ちが少なく、老後の生活に不安を抱えたままよりは、不要なものから優先して現金化するのがいいでしょう。
また、書画や骨董の価値は真贋や希少性に大きく左右されますから、信頼できる古物商に鑑定してもらって価値を確かめる必要性があります。
そして、高額な作品は複数の業者へ鑑定に出して買取額の見積もりを出してもらいましょう。
評価額の高いものはどう扱うべきなのか?
評価額が数十万~数百万ある価値の高いものは、すぐに売却したほうがいいのでしょうか?
これらの品々はさらなる値上がりが期待できるので、長く手元に置いておいたほうが得策と言えます。
ただし、評価額が5万円を超える遺産は「課税遺産総額」に算入されるので、課税遺産総額が増えると相続税も高くなってしまいます。相続人にかかる納税の負担を考えて試算しておくことが大切でしょう。
- 課税遺産総額から基礎控除(3000万円+法定相続人1人につき600万円加算)などを差し引き、それに所定の税率を掛けて算出します。詳細はこちら(国税庁Webサイト)
手放せなくて迷った時は専門家に相談するといい
中には1000万円を超えるような美術品を所有している人もいますが、高額なものが相続財産の中にあると、相続税の負担が重くなる点には注意しなければなりません。
しかし、骨董や書画については、思い入れが強く手放しづらいと感じる方も多いかと思います。このように迷った場合は、税理士に相談し、どうするか考えてから判断しましょう。
貴金属や宝石・骨董などの生前整理まとめ
- 評価額が5万円以下のものは課税対象にならないため、遺産として遺しておいてもいい
- 現金の手持ちが少ない人は、老後資金の確保のためにも不要なものから現金化するのがおすすめ
- 評価額の高いものは、更なる値上がりを期待してすぐに売却しないほうがいいが、遺産総額が増えると相続税が高くなるので試算しておくのが重要
- 思い入れのあるものを手放す決心がつかない時は、専門家に相談してからよく考えて判断するといい
以上、貴金属や宝石・骨董などの生前整理について解説しました。